小森発:フランス・おやつ探訪

 

ご無沙汰しております、小森です。皆様お元気でお過ごしでしょうか。

私の方は、少し前に、日本から来ていた友人を案内して、ニームから車で2時間ほどのところにある、ロゼール方面に行ってきました。今回は、そこで出会った素朴なお菓子を紹介します。(20107月)

 

第8回 クペタード Coupetade

 

ロゼールはニームから北へ車で約2時間、マッシフ・サントラルと言われるオーヴェルニュ地方から続く山に接した地域で、ニームと同じ、ラングドック・ルシヨン地方に属するものの、気候風土はオーヴェルニュに近く、冬の寒さが厳しいところです。

私たちが訪れた日も、ニームと比べるとずっと気温が低く、途中、カフェで暖をとりながらの観光となりました。

 

日帰りの観光ではちょっと慌しいので、1泊することにして、いつも主人が仕事で利用している山間の小さな村にある安ホテルに泊まりました。

ホテルを経営しているのは若いご夫婦。ご主人のお祖父様の代からここで宿をやっているとのことで、夕方に到着したとき、道路に面するカフェスペースは、近所の常連さんたちでにぎわっていました。

ホテルは12食付きとなっており、食事はご主人の担当。そのときの夕食のデザートとして出てきたのが、今回のお菓子、COUPETADE ”(クペタード)です。

 

でも、実は、このお菓子の名前は、デザートが出る前に既に知っていました。というのは、その日の昼間、観光途中に見つけた土地の絵葉書で、このお菓子を紹介しているものがあり、各地の料理に興味がある私は、しっかりその絵葉書を購入していたのです。

なので、その日の夕食にクペタードがでてきたときは、感激でした。

 

クペタードは、スライスしたパンとプルーンと干しぶどうを使ったパンプディングといった感じのお菓子です。ホテルの奥様の話では、この土地で昔から作られているお菓子とのこと。甘いお菓子などが豊富にない時代に、残ってかたくなったパンを利用して作られたのでしょうね。“COUPETADE ”という名前は、昔、このお菓子を作るときに使われていた陶製の器の名前、“COUPET ”からきているそうです。

ホテルでは、プルーンはアルコールに漬けたものが使われており、上にキャラメルソースがかかっていて、パンプディングとは思えない、素敵なデザートでした。

 

さて、家に帰って早速試してみたいと思い、買ってきた絵葉書のレシピを読んでみると、「グラタン皿にスライスしたパンを並べ、その上にプルーンと干しぶどうを散らしてから、卵に砂糖と牛乳を混ぜたものを流してオーブンで焼く」とのことで、まずはこのレシピ通りに作ってみました。

ところが、ホテルで食べたクペタードに比べると、パンへの卵液の染み込み具合が不十分で、かたく乾いた感じ。

普段はパンプディングやライスプディングなどのお菓子が大好きな主人も、

「うーん・・・ホテルで食べたものの方がおいしかったね」と言って、満足できなかった様子。

 

そこで、次に作ったときには、まずスライスしたパンを半日くらい卵液に浸してから使うことにし、また、プルーンと干しぶどうもラム酒に一晩漬けておいたものを使いました。

バターをぬったグラタン皿にパンを並べるときには、卵液を吸ったパンがやわらかくなっているので壊れやすく、慎重に並べなければなりませんでしたが、結果は口当たりがぐっと良くなって、ホテルで食べたものにかなり近づきました。

 

クペタードは、焼きあがってしばらくしてからの、まだ温かいうちに食べるのもいいですし、また、冷たく冷やしたものもおいしいですので、その日に食べきれなくても大丈夫。

家庭ではジャムなどをつけて食べることもあるようです。ホテルで食べたように、キャラメルソースやチョコレートソースなどを添えると、素敵なデザートにもなります。

プルーンか干しぶどうかどちらかだけでも良いですし(実際、写真撮影用に作ったときは、プルーンがなくて干しぶどうだけで作っています)、他のドライフルーツでも良いのではないかと思います。

 

それと、なんといっても、残ったパンで作れるというのが良いですね。私も、今ではパンが残ると、クペタードが作れる!と嬉しくなります。

材料も作り方もシンプルなので、ぜひ、皆様もお試しください。

 

 

【レシピ】

 

パン(食べ残ったバゲットや食パンなど)

卵 2

砂糖 100g

牛乳 500ml

干しぶどう

プルーン

好みでラム酒(干しぶどうとプルーンを一晩漬けておく)

 

 

@ ボールに卵をわりほぐし、砂糖を加えて混ぜ、さらに牛乳も混ぜる。

 

A スライスしたパンを@の卵液に漬け、数時間から半日ほど置く。

パンは残ったバゲットやら、大きめのパンやらいろいろ混ざっています。

 

B オーブンを180度に温める。グラタン皿にバターを塗り、

卵液に漬けたパンの半量を並べ、干しぶどうとプルーンも各半量をパンの上に散らす。

ラム酒漬けの干しぶどうを散らします。

 

C 残りのパンを並べ、その上に残りの干しぶどうとプルーンを散らしたら、残った卵液を上から注ぐ。

再びパンと干しぶどうを並べてオーブンへ

 

D オーブンに入れ、表面にうっすらとこげ色がつくくらいまで焼く。

できあがって温かいうちは、表面がかりっと香ばしく、

冷めると全体にしっとりとしまった感じになります。

 

 

 

 

<バックナンバー>

第1回 ガレット・デ・ロワ

第2回 ビューニュ

第3回 マトファン

第4回 タルト・ア・ラ・クレーム

第5回 いちごのデザート

第6回 ニームで見つけたおやつ(南仏菓子)

第7回 ニームで見つけたおやつ(フガス)