続報:

2000年〜2005年にフランスに滞在し、フランスの民宿シャンブル・ドットを巡った道下ファミリー。

現在は、フランスでの経験を活かし、指宿(いぶすき、鹿児島県)にて、

和&フレンチレストラン サリュー などを展開しています!

 

道下ファミリーがゆく!

フランスの民宿〜シャンブル・ドット〜

 

 

第2回 シャンブルドットナンバー873

Mme FRANCINE et Mr Michel CORNETのシャンブルドット

                                                                                                                  (シャンパーニュ)            

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「ロバに乗れるらしい」

それがこのシャンブルドットを選んだきっかけでした。前回、ブルゴーニュ地方の旅で、すっかりシャンブルドットにはまってしまった道下ファミリーは、またまた休暇で今度はシャンパーニュ地方を車で旅してみよう!ツアーを計画していました。泊まるところはもちろん、シャンブルドット。もともとシャンブルドットは、地方の農家の方たちが、副業として旅行者に宿泊所を提供したのがはじまりとか。そこで、私、道下(妻)はジット・ド・フランス(注:シャンブルドット第1回参照)のシャンブルドット探しにおいても、この、いかにも農家らしいというか、シャンブルドットの原点的なシャンブルドットを探してみようと、ディスプレイとにらめっこしていたわけです。そんな私の前に、

「ロバに乗れます」

の一文。これはもう、それだけで、のどかなフランスの農家のおうちに宿泊!という、素敵なイメージがありありと浮かんでくるではありませんか! 即、「ここ! 決まり!」となったわけです。

 

しかし、そんな軽薄な理由で決めたため、やっぱり場所がわからない。「一体、シャンブルドットのある村はどこなんだよー!」と叫ぶ夫をなだめつつ、私たちはようやく、小さな集落にたどりついたのでした。しかし・・・・・

(し、失敗だったかも〜)

お部屋はまさしくご家族の住む家の同じ屋根の下の2階、そしてなんだかわかんないけど、このおうちの孫だか姪っ子だか甥っ子だかが遊びにきていて、私たちの部屋の前の広間では5,6人のこどもたちがテレビゲームを囲んで大騒ぎ。「しずかにしなさーい!!」「ステファン、ステファンはどこ!?」。ちょっといけいけ風、お子ちゃまたちのお母さんらしい女性の叫び声。吹き抜けの1階リビングからは、この家の主人である太ったいかついこわもてのおじさんが、なにやら電話で怒ったように話しているのが聞こえます。やっぱりなんだか、ビアンビニューな雰囲気じゃないぞぉ・・・・。若干の不安が押し寄せます。

しかも問題は夕方のお食事。今回私たちは、ターブルドット、つまりお食事つきの宿泊を予約していました。が、実は私、道下()は、京都は天橋立で、一度民宿でひどい目に遭った事があり、「だいじょうぶかなぁ・・ちゃんと食事でるのかなぁ・・・」。不安はますますつのります。そんな私をよそに、運転に疲れた道下(夫)はわれ関せずとベッドで爆睡体制。それでも気を取り直して、娘をつれ、家の外にでてみるも、人影もない晩秋の田舎通りの風景は私をますますくら〜い気持ちへといざなっていくのでした。

 

さて、あたりもすっかり暗くなった夜の7時頃、一人の青年が「ごはんができましたよ、下におりていらっしゃいませんか?」と呼びにきました。「あれ? こんな感じのよい青年がさっきはいたかしら?」と不思議に思いつつ、道下(夫)を起こしておそるおそる階下に下りていきますと、暖炉には火が入り、ぱちぱちと薪の燃える音がしています。がっしりとしたテーブルとベンチの食卓には、白を基調としたシンプルなテーブルセッティング。「あれれ、さっきとずいぶん、様子が違うぞ」。

そして、まだなんとな〜くお互いぎこちない感じの雰囲気の中、アペリティフのりんごのお酒が出されました。人の良さそうなこのうちのマダムが、

「このお酒の名前はね、ラ・ムールっていうのよ。ラ・ムールってわかる?」

ラ・ムール。ラ・ムールって「愛」だよな、あ、でもフランス語でなんていおう。「ラ・ムール、わかります、わかります。つまりラ・ムールですね」なんてあほなこといえないし、どうしよ、どうしよ・・・と答えにつまっている私たちを、言葉がわからないと解釈した奥様は、「これがね、ラ・ムールよ」と、いきなりご主人(電話で怒った様にどなっていたいかついおじさん)に、チューーーー!とあついキスをしたのでした。思わず目が点になる道下夫妻。

なんとなんと、聞けばこのお二人、お孫さんがいるお年ではありますが、最近結婚したばかりの新婚さんだったのです。

おそるべし、「愛の国」フランス・・・。

「つ、つまりお二人はリュンヌ・ミエル(蜜月)ってわけですね。はははは(汗)」

と、ちょっと(?)なごんだところで、テーブルにつきます。ちなみに先ほど呼びに来た感じのよい青年は、お二人(どっちかはわからない)の娘さん(まだ若くて感じのいい)のお婿さん、ということでその日のテーブルはシャンブルドットのご主人夫妻、娘さん夫妻、私たち親子3人の計7人で始まりました(昼間いた孫たちといけいけ風おかーちゃんは姿なし)。

食事は野菜スープから始まりました。おうちが農家をやっているので、もちろん使っているのは自家製野菜。見たところ特になんてことはない普通のスープです。ところがこれが・・・

「っんまい!!」

一口のんで、思わずともに声をあげる道下(夫)と(妻)。聞けば、季節の野菜をこまかく刻み、バターでゆっくりいためて水を足し、最後に塩で味をととのえて出来上がり、という作り方はいたってシンプルなもの。しかし、お世辞でなく本当においしい。ただ、野菜だけでこんなにおいしいスープが作れるんだ・・・と野菜の底力を再認識させてくれるような味です(あと、いためるバターのおいしさも重要なカギ)。それが証拠に、お世辞だ、お追従だというのが通用しない、本能の申し子の娘までが、皿をなめまわさんばかりに1杯目を平らげてしまいました(もちろん、おかわり要求)。

 

さて、このターブルドット(table dhôte)、私たちは単純に、たのめば夕食をつけてくれるというふうに解釈していたのですが、もともとは独立していないテーブルとでも言うか、日本で言えば合い席のテーブルのような意味があるそうで、つまりターブルドットをお願いするということはその家の家族のお食事に合い席させていただく、ということになるわけです。これがまた、子持ちの私たちには意外によいシステムで、途中でこどもが食事にあきても、その辺にリリースできるし(笑)、このおうちの場合は昼に孫がきていたこともあって、お人形やらおもちゃを出していただいたり、あるいは部屋のすみの暖炉が非常に気に入った娘はぱちぱちとはぜるたきぎの炎を見ながら給仕の合間にマダムにいろいろ話しかけてもらったり、その間に私たちはゆっくりと食事が楽しめるし、ほんとうにくつろいだ時間が過ごせました。

123-2395_IMG お部屋はちょっぴりメルヘン調。

 

その後食事は、内臓のパイ包み、お肉のソテー、デザートと続き、すっかりリラックスした私たちは、つたないフランス語ながらも多いに話に花も咲きます。こわもてで最初はこわそうだったムッシュウも実はとっても気さくな方で、ワインが進むにつれとっても饒舌。

「お料理の味はどうかしら?」

ちょっと心配げに尋ねるマダムは、「とってもおいしいですー!」と声をそろえる道下(夫)と(妻)に、ほっとした様子。実はこちらはシャンブルドットをはじめてまだ間もないそうで、お客様にこうしてお食事を出すのも慣れていないご様子。確かにレストランの料理とは違うけれども、フランスの家庭料理をこうして味わえるのもシャンブルドットならではかもしれません。本当に素敵な一夜でした(野菜のスープはその後、私のレシピの一つとなりました)。

 

 

123-2394_IMGCHAMBRE NO 873

Francine et Michel CORNET

住所 4 Grande rue  10110 VIVIERS SUR - ARTAUT

電話 03 25 38 41 49  または 携帯 06 83 37 47 24

 

1泊2名朝食付きで40ユーロ。ターブルドットは1名につきプラス15ユーロです。

(残念ながら、ロバ(有料)には乗り忘れました)

新婚のCORNET夫妻(両端)と。

いつもまでもお幸せに〜〜!

 

 

 

バックナンバー  1回  ボーヌ  MADAME SEROUART ELISABETH のシャンブルドット

 

 

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