◆ くみさんの フレンチ閑観 

人が察したフランスを綴りました。たまにはゆっくり周りを見て……。

 

 

<第15回> コルシカ・ジョーク

 

 

今回は、フランスのユーモアをお届けします。ユーモアなのか、ただの皮肉なのか、そこは疑問ですが、オヤジギャグとは違います。

 

 フランスの、といいましたが、ご紹介するのはちょっと特殊で、本土のフランス人と小島コルシカに住む人のギャップを笑いの種にしたものです。

 

 まずはコルシカ島について、少々お勉強。

 地中海の島です。地図で見るとイタリアのほうが近いですが、フランス領です。

 中世以降、都市国家ジェノヴァの支配下に置かれていましたが、独立戦争があり、ジェノヴァを支援するフランスに負けて、結局1769年にフランスの領土となりました。

 面積は約8,680km²で、日本の広島県よりわずか大きいくらい。

 現在の人口は約31万人。ちなみに広島県は285万人!!!

 産業は、漁業・農業・そして何より観光業です。

 

 さて、では。

 

 

コルシカ・ジョーク その1

 

 コルシカ人のアントワーヌは、村から一度も出たことがありません。

 そんな彼が、ある日、パリに上京した友人のデュメ(コルシカ的な響きの名前です)に会いに行きました。デュメはパリでカフェ・バーを開いています。

 

 お互いに再会を喜んだ後、デュメはアントワーヌに、少しの間自分の代わりにカウンターの中に入っていてくれないかと頼みました。急用があってちょっと外さないといけないのです。

 アントワーヌはカウンターの中に入りました。

 

 少しすると、男女二人連れの客がやってきて、カウンターにつきました。

 

男 「ジョニー・ウォーカー」

 

女 「あたしはマリー・ブリザール」

 

アントワーヌ 「はじめまして! コルシカのアントワーヌです!」

 

 

・・・・・・・・・・

(くみさんコメント)

 ジョニー・ウォーカーはウィスキーですね。マリー・ブリザールは、アニスとその他ハーブなどで作られたフランスのお酒です。二人は注文をしたわけですが、アントワーヌは知らない固有名詞を聞いて、それぞれ男女の名前だと思ったのですね。これと似た、別のヴァージョンのコルシカ・ジョークも聞いたことあります。ジャック・ダニエルでもいけます。

 とにかく、田舎者ということで笑いの種にされるわけです。

 ですが、もう少し深く考えると、このジョークには、「そんな誰もが知ってるメジャーな銘柄なんか知らない(そんなものに価値を見出さない)」、という、コルシカ人の誇りも含まれているのかもしれないな、とも思います。

 コルシカの田舎では何を飲むのでしょうね。

 

 

 

==============

 

コルシカ・ジョーク その2

 

 大統領選挙が間近にせまったある日。候補者の一人がコルシカでキャンペーンの会合を開きました。

 

候補者 「皆さんの税金を減らそう!!!」

 

会場のコルシカ人 「ウイィィィ!!!」(ウィはもちろん、フランス語のイエスです)

 

候補者 「皆さんの補助金を増やそう!!!」

 

会場のコルシカ人 「ウイィィィ!!!」

 

候補者 「皆さんに仕事を見つけよう!!!」

 

 ここで、会場はしんと静まり返ってしまいました。

 

 と、奥にいた一人が叫びました。

 

「扇動者に死を!!」

 

 

・・・・・・・・・・

(くみさんコメント)

 コルシカ島は、税金も補助金も、本土よりずいぶん優遇されています。小さな島ですからあまり仕事がなく、なのに物価は高く、生活が苦しいのだそうです。

 でも、怠け者なんですよね、根が。怠け者で、しかし自尊心は高く、情熱的なことで有名です。そういう気質なんです。独立戦争などで、アイデンティティへの思い入れが強烈なものになったのですね。

 今でも、過激独立派がいて、ときどきテロを行います。これは冗談になりません。

 

 

 

==============

 

コルシカ・ジョーク その3

 

 アジャクシオ(コルシカの主要都市です)へ来た観光客が、土地の人と話をしました。

 

「とても美しい土地にお住まいですね」

 

「そうさね……、そうとも言えるね……」

 

「土質もいいですね、収穫もけっこうなものでしょう」

 

「いいえ、ちっとも! ここじゃ何にも育ちゃしません」

 

「そんなことはないでしょう。私も本土で農業をしている者なので分かりますが、ここは植えたら絶対に……」

 

「そりゃあもちろん、植えたら、ね……」

 

 

・・・・・・・・・・

(くみさんコメント)

 コルシカは、すばらしい観光地です。お値段はちょっと高級で、どちらかというとハイソな方々のリゾート地です。

 農産物も、パリあたりで売っているコルシカ産のものは、高いです。それはあまり植えないからなのでしょうか……。

 

 

 

==============

 

コルシカ・ジョーク その4

 

 どうしてコルシカ人は小さいのでしょうか。

 

 それは、子供の時に母親にこう言われたからです。

 

 「大きくなったら、働きに行くんですよ」

 

 

・・・・・・・・・・

(くみさんコメント)

 かのナポレオンもコルシカ人ですが、やはり小さかったですね。

 こういうふうに言われたかどうかは知りませんが……。

 でも、彼はものすごい働き者でした。

 

 

 

 人類というのは、地球上いたるところ、こんな小さな島までも、個性があってそれぞれ文化が違うのですねえ。フランス人もイタリア人もコルシカ人も違います。領土問題などいろいろあって、ながーい歴史が続いているのです。

 

 ジョークひとつにしても、あれこれと考えさせられてしまいます。

 

 UEの話し合いも、なかなかまとまらないわけです。

 

 

 

 

par Kumisan

 

 

 

 

 

 

 

Description : Description : Description : ringo_01